資本金を決めるポイント
資本金を決めるポイント
資本金とは、株式の発行などによって、調達されたお金のことをいいます。
基本的には、会社の設立の際に株式を発行し、それに対して出資者から払い込まれたお金の合計を「資本金」と言います。
もちろん、会社設立後も、株式を追加発行することで、出資を募り、資本金を増額させることができます。
資本金の金額は、1円以上であれば何円でも構いませんが、いくつかポイントがあります。
以下のポイントを踏まえて決めましょう。
許認可による制限
許認可事業によっては、許認可の要件として財産的要件を掲げている場合があり、一定額以上の資本金が必要になることがあります。
例えば、一般建設業許可の場合は以下のいずれかに該当することが必要です。
①自己資本が500万円以上あること。
②500万円以上の資金調達能力のあること。
③直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること(更新の場合)
このうち、現実的には、①設立当初から資本金を500万円にしておくことで、あらためて融資を模索したり、②の残高証明書を取る必要はなくなります。
そのほかにも、事業内容によって、資本金額の制限があるため、許認可の財産的要件をよく確認しておかなければなりません。
消費税の免税事業者
資本金の金額が1,000万円以下の場合には、平成25年1月以降に2期目を迎えると、第1期の最初の6か月間の課税売上高と給料等のいずれも1千万円を超えた場合には課税事業者になります。
この仕組みを簡単に言えば、決算期の設定によっては、最大「1年7ヶ月間」免税となることができます。
しかし、資本金の金額を1,000万円以上にすると、この恩恵を受けられず、設立当初から課税事業者になってしまいます。
法人住民税の額
法人住民税については、均等割りの部分が資本金の金額によって変わります。
・従業員数が50人以下で資本金額が1000万円以下の場合
「市町村民税5万円」+「道府県税2万円」の合計7万円
・従業員数が50人以下で資本金額が1000万円を超えて1億円以下の場合
「市町村民税13万円」+「道府県税5万円」の合計18万円
資本金を1000万円以上にすると、消費税の課税事業者になるばかりでなく、法人住民税も高くなります。
融資への対応
設立したばかりの会社で融資が必要な場合には、一般的には、日本政策公庫の新創業融資制度を利用することが多いです。
この融資のうち、ものによっては、申し込みの要件に、「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できる」というのがあります。
例えば、創業資金が600万必要だとして、その3分の1の200万を資本金(自己資金)としてもっていないと、融資の申し込みができないということになります。
起業にあたって融資が必要な場合は、資金計画を綿密に作成し、その3分の1以上の資本金を用意する必要があります。
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